社会保険(健康保険・介護保険・厚生年金)への加入について説明します。
健康保険
健康保険とは、従業員やその家族が、業務以外の原因で病気・怪我・出産し病院にかかったり、 死亡した場合に、治療費の一部や、生活費の一部などを保障する制度です。
給付内容の主なものとして、
- 病気や怪我の治療に要した費用の7割を給付
- 病気や怪我で仕事を休まなければならないとき、給与の約2/3を給付
- 産前産後の休暇期間中の給与の約2/3を給付
- 死亡した場合は5万円を給付
などが挙げられます。
介護保険
介護保険とは、従業員が老齢・障害で介護が必要になったときに、適切な介護サービスを行う制度です。加入義務は40歳以上の方で、その内64歳までの方は毎月の給与から保険料を控除します。
厚生年金保険とは?
厚生年金とは、従業員の老後や怪我で働けなくなったときの生活保障、死亡した時の家族の生活を保障する制度です。
保険給付の内容は
- 65歳以降死亡するまで支給される老齢年金
- 一定の障害を負った者に支給される障害厚生年金
- 死亡したとき一定の遺族に支給される遺族年金
が挙げられます。
社会保険へは必ず加入しなければならない?
法律上、会社などの法人は、事業の種類に関係なく1人でも従業員を採用すれば、社会保険に加入しなければなりません。また個人事業でも一部の業種を除き、従業員が5人以上なら社会保険に加入しなければなりません。
しかし、加入していない会社が現実には多く存在します。平成13年度の社会保険庁の調査によれば推定で50万〜60万の会社・個人事業が加入義務があるにもかかわらず社会保険に加入していないようです。率でいうと25%〜30%です。
なぜ法律で定められた義務なのにこれだけ多くの会社が社会保険に加入しないでいられるのでしょうか?理由は簡単です。社会保険庁の担当社(社会保険調査官といいます)の数が足らないのです。全ての会社を訪問し、内容を説明し加入させることが出来ないのです。また、たとえ強引に加入させたとしても、その会社等が保険料を滞納すれば、逆に加入させた社会保険事務所の評価が下がってしまうという問題もあるのではないかと思われます。
だからと言って「社会保険には加入しなくて良い」とはなりません。あくまでも法律で定められた義務です
だれが社会保険に加入しなければならない?
社会保険に加入する会社で働く者は、会社の役員を含めて、原則社会保険に加入する義務があります。「年金は当てにならないから加入したくない」という社員も加入しなければなりません。なお健康保険と厚生年金は必ず同時に加入します。加入の手続きは社会保険事務所にて行います。
パートやアルバイトも社会保険に加入させなければならない?
パートやアルバイトでも
- 週の労働時間または1日の労働時間が一般社員の3/4以上
- かつ月の労働日数が一般社員の3/4以上
なら社会保険に加入させなければなりません。
しかしパート・アルバイトは労働時間にかかわらず社会保険に加入させない会社が多いのも事実です。特に中小サービス業においては加入させない会社の方が多いのではないでしょうか?
なぜなら『加入させなければならない』と法律では定められていますが、そのパート・アルバイトが週何時間働いているかを社会保険事務所が知る術はなく、立ち入り調査をするにも限界があるからです。
社会保険の保険料は?
先日私の顧問先から電話があり「社会保険に加入する予定だけど保険料どのくらい掛かの?」と問い合わせがありました。早速従業員の給与額をもとに計算し報告すると「そんなに掛かるの!!」と驚いておりました。ちなみにこの会社は社員が10人のサービス業で報告した会社負担の保険料は年約500万円。社長はせいぜい200万円程度と考えていたようです。
またある税理士からはこんな愚痴をいわれました。「うちのお客さんで社会保険料が払えないからと会社をたたむところが最近多い。第一保険料が高すぎる。」ごもっともです。
保険料は確かに高いと思います。
健康保険は賃金額の約8.2% 厚生年金は同約15% これを会社と従業員が折半して支払います。従業員負担分は毎月の給与から控除し、翌月末日までにまでに会社負担分を含めて国に収めなければなりません。会社負担分は実に11.6%です。労働保険料分を含めると約13%です。
また賞与からも同率の保険料が徴収されます。
儲かっている大企業ならいざ知らず、不況で苦しむ中小零細企業にとってはこの保険料負担はまさに死活問題です。