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給与計算代行・アウトソーシング給与計算の実務Q&A残業代込契約の是非

給与計算の実務Q&A(残業代込の契約の是非)

<残業代込の契約>
弊社では採用時に残業代は基本給に含まれている旨の説明をし、社員もそれを納得の上で働いてもらっています。問題は有りますでしょうか?

(回答)残業代込を社員が納得していたとしても、いざ裁判となると、会社の主張はほぼ認められません。認められるためには、基本給の中の幾らが何時間分の残業代であるか分かるように定める必要があります。

「基本給に残業代込」の契約は不可!

不可と記載しましが、実際の裁判では例外が有ります。

証券会社のトレーダーで年俸2200万円の方が、基本給に時間外手当が含まれる契約は無効として争った裁判(モルガンスタンレー事件)で、合法の判決がありました。ただこれは例外中の例外で、これ以外の裁判で認められて事例を私は知りません。

なぜ本人が入社の際認めたとしてもダメかと言うと、労働基準法には1日8時間を超え、週40時間を超えて働いた場合は残業代を支給する旨の規定が有るからです。 この規定は本人との同意(民法上の合意)より強制力が有るからです。
では基本給に残業代を含めたい場合は、どのようにすれば良いのでしょうか?

解決方法

「基本給に残業代込」が認められる場合は、

  1. 1)基本給に何時間分の残業代として幾らが含まれるかを明示する
  2. 2)残業代を基本給とは別項目とし「固定残業代」または「みなし残業代」などの名目で支給する

何れかの方法を取らなければなりません。

基本給に含まれる残業代の明示

基本給に含まれる残業代を明示する場合は、その基本給の内幾らが、何時間分の残業代として支給されるのかが分かるよう、就業規則、又は労働契約書等に記載しなければなりません。弊お客様の就業規則に記載したものを以下サンプルとして記載致します。

(例)基本給の内訳は、1ヶ月あたり45時間分の時間外手当相当分を含むものとする。時間外手当相当分の算式は以下の通りとする。

(45時間×1.25)× 基本給 ÷ {一か月平均所定労働時間+(45時間×1.25)}

この例の場合、基本給に45時間分の残業代が含まれるとして算出しています。

基本給とは別に手当を支給

この方法の場合は、今までの基本給を新しい基本給と、固定残業代(またはみなし残業代)に分ける必要が有ります。計算の方法は

固定残業代= (今までの基本給 - 固定残業代)÷月の所定労働時間×1.25×みなし残業時間

より求めてください。
ただし新基本給(=今までの基本給-固定残業代)÷月の所定労働時間は、都道府県別に定められた最低賃金を上回る必要が有りますのでご注意ください。

導入の注意点

上記のように、就業規則、賃金規程に明記しても、実際の残業代・休日出勤手当の合計が固定残業代を上回る場合は、その差額を毎月支給しなければなりません。

もし差額を支給しない場合は、裁判になると固定残業代そのものが否定されることになります。

もし固定残業代が否定されたとすると、基本給に含まれる、または別手当をして支給された何時間分かの「みなし残業時間」も否定されます。

つまりは、裁判時に差額のみを支払えば良いということにはならず、上記で計算した固定残業代を含めた給与額に対し、残業代が全く支払われていないとして、残業代を再計算しなければならなくなります。

(計算例)
基本給20万円 月所定労働時間160時間 62500円(40時間分)を毎月固定残業代として支給した場合

実際の毎月の残業が41時間の場合は、
×:1時間分の残業代(20万円÷160×1.25)の24ヶ月分=37,500円
◎:41時間分の残業代(262,500円÷160×1.25)の24カ月分≒200万円

よって固定残業代を支給するのであれば、必ず超過分は支払う必要が有ると思います。超過分を支給しないのであれば固定残業代を設定しない方がまだましです。

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