年末調整とは簡単に言うと、毎月支給する給与・および賞与から控除した「仮の所得税」と、年間の「本当の所得税」を12月最後の給与で清算することです!
年末調整はなぜ必要?
毎月の給与や賞与から控除する所得税(源泉所得税)は、その時々の主に扶養親族の数によって計算されます。一方年間の所得税は、その年の12月31日現在の扶養親族の数や、その1年に社員が個人で支払った生命保険料等を勘案して決定します。計算が異なる為、当然のことながら月々徴収した所得税の合計額と、年間の所得税には過不足が生じてしまいます。だから年1回12月給与の支給時に清算が必要となるわけです。
年末調整をしない人
年末調整は、原則として年末まで勤務している社員が対象になります。しかし以下の人は年末調整を行いません。
- 他社と兼業をしており、他社で年末調整を行う場合
- その年の給与支給総額が2千万円を超える人
- その年の最終給与の支払いを受ける前に退職した人※
では給与締め日が20日で25日支払の場合、12月20日で退職された方は、年末調整しないのでしょうか?
パートやアルバイトは年末調整が必要?
結論から述べますと、兼業し他社で年末調整をされる方以外は年末調整が必要です。
所得が少なくとも、ご主人が扶養控除を受けていても年末調整はしなければなりません。
一方、これらの方は年末調整をしても、過不足は本当にわずかな金額です。だからパート・アルバイトは年末調整をせず確定申告させる会社も多々見受けられます。 法律的には違反なのですが、過不足がほんの数10円以内であれば年末調整したくないという社長の考えも分かるのですが。。。。
確定申告をする方は年末調整が不要?
これも上記と同様に法律上年末調整が必要となります。
これも良くお客様から受ける質問です。でも何で確定申告するのに年末調整をわざわざしなくてはならないのでしょうか?
法律はさておいて、実務的にはやらない会社が多々あります。結局年末調整してもしなくとも最終的な税額は変わらないからです。
ではなぜ、年末調整しなければならないのでしょうか?
これはあくまで私個人の推測ですが、年末調整する=生命保険料控除、扶養控除等の処理は会社に押し付けることができる=税務署の処理が簡単で済む=お役所の怠慢、と思われます。
そもそも何で会社が年末調整しなくてはならないの?
毎年何10社もの年末調整を代行していていつも思うのですが、何で社員の税務申告を会社がしなくてはならないのでしょう?
諸外国を見渡してみると、年末調整をするのは、日本、ドイツ、ポルトガル、ノルウェー、韓国ぐらいで米英仏伊を始め殆どの国では年末調整を行っていません。
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